- 浮世絵
つきおかよしとし さく「つきのひゃくし あさのがわせいせつげつ こうじょちかこ」 月岡芳年 作「月百姿 朝野川晴雪月 孝女ちか子」 /ホームメイト

本浮世絵は、「月岡芳年」(つきおかよしとし)が月を主題にして描いた連作「月百姿」(つきのひゃくし)のひとつです。
湖に毒を流したという容疑を掛けられて投獄された祖父の無実を訴えるため、川へ身投げをして赦免を願った孫娘「ちか子」を描いています。
月百姿は全部で100点もある連作で、美人画の他にも、武者絵や役者絵、名所絵、動物画、歴史画など多岐に渡るジャンルが描かれました。本浮世絵は9番目に発表された作品で、月百姿のなかでも人気のある作品のひとつ。ちか子が手を合わせて願をかける姿が、ドラマチックに描かれています。
本浮世絵の作者・月岡芳年は、幕末から明治時代に活躍した浮世絵師です。戦場や残酷なシーンを題材にした無残絵を多く手掛けたことから、「血まみれ芳年」という異名を取りました。
また、浮世絵の衰退期に最も成功し、日本画や西洋画のジャンルで活躍する弟子達を輩出したことから、「最後の浮世絵師」と呼ばれることもあります。月岡芳年は月百姿を8年かけて完成させ、100作目を描き終えた翌年の1892年(明治25年)に、53歳で亡くなりました。
