- 浮世絵
つきおかよしとし さく「つきひゃくし どくしょのつき しろ」 月岡芳年 作「月百姿 読書の月 子路」 /ホームメイト

本武将浮世絵は、「孔子」(こうし)の弟子「子路」(しろ)が月明かりの下、勉学に励む場面を描いています。
貧しい家に生まれた子路は、両親の助けになるよう米俵などを運んで日銭を稼いで暮らしていました。生活は苦しくつぎはぎだらけの粗末な服をまとう子路でしたが、学びへの意思が強くわずかな時間を惜しむように月明かりを頼りに勉学に励みます。
こうした親孝行と努力の様子は、中国のお伽話「二十四孝」にも記されているのです。のちに子路は、役人として宮中に仕えるようになり、孔子の高弟「孔門十哲」のひとりに数えられるほどの人物になります。
本浮世絵を描いたのは、江戸時代末期から明治時代初期に活躍した浮世絵師「月岡芳年」(つきおかよしとし)です。12歳で「歌川国芳」(うたがわくによし)に入門し、歴史画や武者絵、美人画などを手掛けました。晩年は月をテーマにした連作「月百姿」を発表。作中には日本の偉人や逸話が多く含まれますが、本浮世絵のような中国の逸話をもとにした作品もあります。
