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みずのとしかた さく「かいぐんしょうこうらせいしんのせんりゃくとうろんするず」 水野年方 作「海軍将校等征清の戦略討論する図」 /ホームメイト

本戦争浮世絵の題材となったのは、日清戦争(にっしんせんそう)です。
日清戦争は、1894年(明治27年)~1895年(明治28年)に、朝鮮の支配権をめぐって日本と清国の間で行われた戦争。1894年7月、日本軍が豊島(ほうとう)の沖合で、清国艦隊を攻撃し、戦争が開始されました。
日本は「平壌の戦い」(ぴょんやんのたたかい)などで勝利し、遼東半島(りょうとうはんとう/りゃおとんはんとう)を制圧。1895年3月に下関(現在の山口県)で講和会議が始まり、同年4月17日に「下関条約」が締結されました。
本戦争浮世絵には、戦艦の甲板で10名の将校達が征清(せいしん:清国と戦うこと。日清戦争をさす)の戦略会議をしている様子が描かれています。
テーブルに広げた地図を見て、活発な議論を交わす声が聞こえてくるようです。画面の両端に見える大砲と銃、将校達が持つ軍刀は、いずれも緻密に描かれています。
作者の水野年方(みずのとしかた)は明治時代にかけて活躍した浮世絵師・日本画家です。「月岡芳年」(つきおかよしとし)から浮世絵を、「渡辺省亭」(わたなべせいてい)から日本画を学びました。戦争絵や美人画、小説の挿絵などを手掛けています。