- 戦争絵
- 戦争絵とは
つきおかよしとし さく「きんせいはちせんそう うえのさんのうさん」 月岡芳年 作「近世八戦争 上野山王山」 /ホームメイト

本合戦浮世絵に描かれているのは、戊辰戦争(ぼしんせんそう)の戦いのひとつ、上野戦争(うえのせんそう)。戊辰戦争は大政奉還(たいせいほうかん)後、最後の将軍・徳川慶喜(とくがわよしのぶ)を支持する旧幕府軍と、薩摩藩(さつまはん)・長州藩(ちょうしゅうはん)・土佐藩(とさはん)を中核とした新政府軍の間で起きた戦争です。1868年(慶応4年)1月の「鳥羽・伏見の戦い」(とば・ふしみのたたかい)から始まり、1年半にわたりました。
鳥羽・伏見の戦いで敗れた徳川慶喜は、朝廷に恭順の意を示すため、上野(現在の東京都台東区上野)の寛永寺(かんえいじ)にて謹慎します。一方、一橋家をはじめとする旧幕臣はこれを良しとせず、「薩賊」を討つことを目的として有志を募り「彰義隊」(しょうぎたい)を結成しました。
表向きには徳川慶喜の警護を任務としていましたが、徳川慶喜が水戸に移ることになり、彰義隊は江戸に残されます。やがて旧幕府軍と新政府との対立が深まり、同年7月4日、大村益次郎(おおむらますじろう)率いる新政府軍は、彰義隊が拠点とする寛永寺周辺の江戸上野(現在の東京都台東区上野)を攻めたのでした。
本浮世絵には、馬上で刀を手に戦う彰義隊員が表されています。
本合戦浮世絵の作者は月岡芳年(つきおかよしとし)。画号は一魁斎芳年(いっかいさいよしとし)、大蘇芳年(たいそよしとし)など。幕末から明治時代にかけて活躍しました。
歌川国芳(うたがわくによし)の門弟で、歴史画、美人画、新聞画、妖怪画の他、様々なジャンルを得意とし、多くの傑作を描いています。
