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つきおかよしとし さく「しょこくむしゃはっけい はこだてこう」 月岡芳年 作「諸国武者八景 函館港」 /ホームメイト

本戦争浮世絵に描かれているのは、戊辰戦争(ぼしんせんそう)の最後の戦いである箱館戦争(はこだてせんそう)。戊辰戦争は大政奉還(たいせいほうかん)後、旧幕府軍と新政府軍の間で起きた戦争です。
1868年(慶応4年)1月の「鳥羽・伏見の戦い」(とば・ふしみのたたかい)から始まり、1年半に及びました。
1868年(明治元年)、榎本武揚(えのもとたけあき)率いる旧幕府軍は、蝦夷地(えぞち:現在の北海道)を占領し、函館の五稜郭を本拠地として臨時政府を樹立します。新政府はこれを認めず、討伐軍を派遣しました。
1869年(明治2年)5月、参謀・黒田清隆(くろだきよたか)率いる新政府軍は函館を占領し旧幕府軍に降伏を勧めますが、榎本武揚はこれを拒否し最後の抵抗となるのです。
本戦争絵は、帯刀した兵士が馬に乗り日の丸を手にしていることから、旧幕府軍側の様子が描かれていると思われます。
本戦争浮世絵の作者である月岡芳年(つきおかよしとし)は、歌川国芳(うたがわくによし)の門人で、明治時代を代表する浮世絵師の1人です。画号は一魁斎芳年(いっかいさいよしとし)、大蘇芳年(たいそよしとし)など。「武者絵」「歴史画」「美人画」「幽霊画」「無残絵」「新聞挿絵」など、非常にジャンルが広く、かつ多作で知られています。
