- 甲冑浮世絵
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おちあいよしいく さく「いまようなぞらえげんじ よん ゆうがお
たけちみつひで ぶんきゅうさんねん」
落合芳幾 作「今様擬源氏 四 夕顔
武智光秀 文久3年」 /ホームメイト

本武将浮世絵は、戦国武将「明智光秀」を描いた絵図。明智光秀は、「織田信長」を「本能寺の変」で討ったことで知られていますが、その前半生や本能寺の変を起こした理由については、明確な史料が存在しないため、現代では様々な仮説が立てられています。
本絵図は「今様擬源氏」(いまようなぞらえげんじ:源氏物語の各帖から連想された有名武将などを描いた54枚揃いの作品)のひとつで、源氏物語の第4帖「夕顔」で詠まれた和歌「寄りてこそ それかとも見め たそかれに ほのぼの見つる 花の夕顔」と、明智光秀を描きます。
明智光秀が主人公である人形浄瑠璃や歌舞伎の演目「絵本太功記」(えほんたいこうき)の十段目は、夕顔の棚がある屋敷を舞台にして始まりますが、この段では明智光秀の母親と息子がそれぞれ命を落とすという悲壮な展開があり、「夕顔」の印象が強い武将として明智光秀が選ばれたと推測されるのです。
本武将浮世絵の作者は、幕末時代から明治時代にかけて活動した「落合芳幾」。落合芳幾は「歌川国芳」を師事し、一時は兄弟弟子である「月岡芳年」と人気を二分した浮世絵師です。
