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おちあいよしいく さく「たいへいきえいゆうでん たけなかはんべえしげはる」 落合芳幾 作「太平記英勇伝 竹中半兵衛重治」 /ホームメイト

落合芳幾 作「太平記英勇伝 竹中半兵衛重治」は、「豊臣秀吉」に仕えた武将「竹中半兵衛」(たけなかはんべえ)を題材にした作品です。竹中半兵衛は、「黒田官兵衛」と共に豊臣秀吉配下の名軍師として名を馳せました。
「太平記英勇伝」と題された本武将浮世絵ですが、その内容は「太閤記」。すなわち、豊臣秀吉を主人公とする物語でした。江戸時代においては、幕府によって「織田信長」や豊臣秀吉以降の武将を描くことは禁止されており、それに触れないように南北朝時代の軍記物である「太平記」と読み替えたのです。
このように、時代を遡らせて過去の出来事などに仮託する手法は「時代物」と呼ばれ、江戸時代の浮世絵をはじめ、歌舞伎や人形浄瑠璃などの演劇における常套手段でした。
本武将浮世絵の作者「落合芳幾」(おちあいよしいく)は、江戸時代末期から明治時代にかけて活動していた浮世絵師。師匠の「歌川国芳」(うたがわくによし)も同趣旨の浮世絵を描いています。
両者の違いは①中判100枚の作品(落合芳幾)か大判50枚の作品(歌川国芳)か、②幕末まで存続していた大名家を除いて実名で描いた作品(落合芳幾)か、すべてを仮名で描いた作品(歌川国芳)かという点です。本武将浮世絵についても、それは該当します。実名で描いた落合芳幾に対し、歌川国芳は「建中官兵衛重治」(たてなかかんべえしげはる)という仮名で描きました。
